~  “黄泉比良坂”  葦原中国(人間の住む世界)と黄泉の国(死者の世界)を繋ぐ黄泉路  ~ 
 
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今日は(もうすでに昨日ですが)クリスマス。
一年で一番優しい気持ちになれる日だそうで。
なので、今宵は怖いけど、優しい。
そんなお話しを。



タクシー運転手のAさんの体験談です。
ある雨の降る夜、Aさんは客を探してタクシーを走らせていました。
すると、とある病院の前で手を上げている女性の姿が。
‘良かった、今日はついてる。’
Aさん、喜んで女性を乗せたそうです。

後部座席に乗った女性は、
『この道を真っ直ぐ行って下さい。』
そう行き先を告げました。
Aさんは言われるがままにクルマを発進させたのですが・・・。

女性を乗せてから、しばらくして。
Aさんは女性の様子がおかしいことに気がつきました。
『暖房いれましょうか?』
『ラジオ、つけましょうか?』
Aさんがバックミラー越しにいくら話しかけても、女性は何も答えません。
ただ、黙って下を向いている。
長い髪で顔を覆い、身動き一つせずじっと下を向いている。
そして、
『その道を右に・・・。』
かすれた声で行き先だけを伝えてくる。
よく見ると、あの雨の中カサもささずに立っていたのに、少しも髪の毛が濡れていない・・・!

やばいもの乗せちゃったかなぁ’

Aさん、そう思ったそうですが、今さら降ろすことも出来ない。
こうなると振り返るのも怖いんで、ただ黙って言う通りにクルマを走らせました。

‘その道を左へ・・・’

‘そこを曲がって・・・’


クルマはどんどん山の中への入っていきました。
‘どこに連れて行かれるんだろう。’
Aさんが不安になっていると、山道の途中にポツンと光る明かりが。
そこには1軒の民家がありました。

『そこで停めて下さい。』

女性に言われ、Aさんは怖がってた自分が少し恥ずかしくなりました。
‘あぁ、ちゃんと人間じゃないか。勝手に幽霊だと思ってたなんて・・・。’
女性にお金を取ってくるので、一旦家に入ってきますと告げられたAさんは
周りにはこの民家以外に何も無く、逃げられることも無いと思い、
『ええ、分かりました。』
そう答えて、素直に待つ事にしました。

女性が家に入ってからすぐに。
一人の男性が家から飛び出してきました。
そしてタクシーに駆け寄り、
『このタクシー空いてますか!』
と聞いてきたんです。
Aさんはワケが分からず、
『空いてるもなにも、今お宅の奥さんか誰かを・・・。』足早にそう説明すると。
驚いた顔で、男性が
『どんな女性でしたか』と聞いてきたそうです。
『髪が長くて、色白で・・・』Aさんが特徴を告げると。

『その女性のお金は、私に払わせて下さい。』


男性が急に泣き出しました。
状況が理解できなかったAさんが、男性にどういう事が尋ねると。
男性は話し始めました。

『実は、私には娘がいます。心臓に病を患っており、ずっと病院に入院しているんです。それがついさっき、容態が悪化したのですぐに来て欲しいという連絡があったんです。』
『すぐに駆け付けたかったのですが、今我が家には車が無くこんな山の中、タクシーを呼んでもどれほど時間がかかるのかと焦っていた時、家の前でクルマの停まる音がして飛び出して見ると、あなたのタクシーが。』

『あなたをここまで連れてきた女性。それは間違いなく私の女房です。娘と同じ病気で、5年前に他界したんですが。今日はきっと私たちのために・・・。』
『彼女、ずっと見守ってくれてたんですね。』
そう言ったそうです。


男性を乗せて病院へと向かう途中。
『運転手さん、こんなことってあるんですね。』
涙声でそう聞かれて、Aさん。
『えぇ、あるんですね。』
涙声でそう答えたそうです。
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