~  “黄泉比良坂”  葦原中国(人間の住む世界)と黄泉の国(死者の世界)を繋ぐ黄泉路  ~ 
 
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『あんたはホントにバカなんだから。』

これが私の母の口癖だったわ。
私がテストで低い点を取った時も
学校でケンカをした時も。
母はそう言って私を叱ったの。
私だってそれなりに頑張ってるつもりだったんだよ?
それに学校なんか行ってるよりもみんなで遊んでる方がずっと楽しいし
万引きだってみんなしてる。
だけど母は私の事を何も分かってくれなかった。
いつも決まって

『N子、あんたはバカだから・・・』

そう言って説教ばかり。
それは父親が事故で亡くなってから一層ヒドくなった。
私はそんな母親が大嫌いだったの。
だからいつも反発ばかりしてた。


そして高校三年生の冬。
私と母はクルマでお父さんの実家に行くことになったの。
その頃の私は仮免許を取れたばかりで、とにかく運転がしたくって。
“こんな夜中の運転は危ないでしょ。”
って言う母に無理やり
“子供扱いしないで!”
って運転を代わってもらって。
それで山道を走ってたら、急になにかが飛び出して来たの。


『わっ!』


私びっくりして慌ててハンドルを切ったら
目の前が真っ暗になって何だか凄い音がして・・・


気が付いたら私は真っ暗闇の中にいた。
どうやら崖から落ちたらしい。
森の中かどこかかしら?
何も見えない。
カラダ中が痛くって仕方無かった。
鼓膜がおかしくなったのか、耳の中がザァザァいってる。
動きたくてもカラダが動かなくって
怖くて涙が溢れ出してきた。
そしたらいきなり運転席のドアが
“バタン”
って開けられて、腕を
“ガツッ”
って掴まれた。

『きゃあ!』


そう心の中では叫んだつもりだったけど、体中の痛さで声が出なかった。
そしたら

『あんたはほんとバカなんだから・・・』

それは母の声だった。
母は私を運転席から引っ張り出したの。
そして

『こっちへいらっしゃい。』

ってぐいぐい私の腕を引っ張る。
私は“痛くって歩けないよ”って泣いてるのに
母の腕はお構いなしに私をどこかへ連れて行こうとするの。
周りは真っ暗で母の顔も見えない。
どっちに向かってるのかも全く分からない。
なのに母は迷うことなく私をどこかに連れて行こうとしている・・・。
私、すっごく怖くなって。
“お母さん、怒って私を殺そうとしてるんじゃないか”
本気でそう思ったわ。
でもそんな私の事なんかお構いなしに
母はぐいぐい私の手をひっぱりながら

『あんたはほんとバカなんだから・・・悪い事ばっかして・・』

『あんたはほんとに・・・』

ずっと私に言い続けてる。
私は怖くって怖くってただ泣き続けてた。
そしたら急に私を引っ張る手がピタっと止まった。
そして、母が言ったの。

『あんたはほんとバカなんだから・・・でも。』




『あんたが無事でほんとに良かった。』


その瞬間、目の前が急に明るくなった。
それはライトの明かりだった。

『大丈夫か!』

遠くから何人もの男性の声がして、いくつものライトが私を照らした。
何がなんだか分からなかった。
でも一つだけ分かったことがあった。
“助かったんだ。”
そう思った私はとっさに明かりに照らされた母の方を見たわ。

そしたらそこには・・・

・・・誰もいなかったの。
ついさっきまで私の手を引いてたハズの母の姿はそこには無かった。
私パニックになっちゃって
“お母さんは?お母さんはどこ?”
って叫んだんだけど、ついさっきまで私の手を引いてた母の姿はどこにも無かったの。

・・・母が見つかったのは3日後になってからだったわ。
崖から転落していびつな形に折れ曲がったクルマの中に挟まれてた。
即死だったんだって。
カラダはぐちゃぐちゃになってて、唯一運転席に向けて伸ばされた右手だけがその原型を留めてたの。

そして後になって分かった事はね。
あの日私を見つけてくれた男の人達は、警察の人たちで
110番通報の救助依頼があったからあの場所にいたんだって事。
そしてその通報の発信元が私の携帯からだったて事。
もちろん私はそんな電話なんかしていないよ。
でも確かに発信履歴は私の携帯電話からだったの。

それから、警察の人が言ってた事があるの。
私が見つかったのは府道のすぐ傍で
『クルマが落ちた場所からあの暗闇の中、ここまでこれたのは奇跡としか言いようがない。』
って。
そうじゃなきゃきっと助かっていなかっただろうって-。







彼女がこのお話を私にしてくれたのは、今からちょうど3年前の春。
N子ちゃんが25歳になった日の事でした。
看護師として立派に頑張ってる彼女が、早くから両親を亡くしたのに
真面目に生きてきたんだって事を初めて知った私はね。
心底大変だったんだろうなって思えて。
だから言ったんです。

『頑張ったんだね。エラいね。』

って。
そしたら、彼女
“ううん”
って首を振って。

それで、言ったんです。

『あたしバカだから。』

『しっかりしなきゃ、お母さんをまた心配させちゃうから。』

って。

目にいっぱい涙を溜めて
そう言ったんです。







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※今宵のお話は単なる私の愚痴です。

 面白くもなんとも無いので遠慮なく読み飛ばして下さい。








私の学生時代の友人で、S君って人がいるんですね。
なんて言うか少し変わった人でして、あんま人と関わるのが好きじゃないっていうか。
休み時間なんかも教室でずっと一人で本を読んでるようなコだったんですよ。
その影響なのかどうかは分かんないですけど
憂いを帯びた叙情的な言い回しをよくする人で
私そんな彼の事がけっこう好きで、なんだかんだ仲良くしてたんですよね。
でも卒業して地元を出てからは自然と会うことは無くなっちゃって。。。


それが今からちょうど半年前の9月の終わり
そのS君からね、久し振りに電話があったんです。

『久し振りだね。』

ほんと10数年振りの事でして、一瞬“なんかの勧誘かな”って疑ったりもしたんですけど。

『なぁ、君ってオカルトとか詳しかったよね。』

聞いてみると、最近不思議な夢を見るんだって言うんですよ。
その夢っていうのがね。
天井も壁もまっ白い部屋の中。
気が付くとS君は肘掛の付いた椅子に座ってる。
で、S君の向いには男が同じように椅子に座った男がこっちを見てる。
ただS君と違うのは、その男のカラダには鎖のようなものが巻かれていて椅子から動けないようになってるんだそうです。
その男がね。
S君を見てニヤニヤいやらしい笑い方をしながら、何かを語りかけてくるんだって言うんです。
で、S君はその男に対して必至になってなにかを怒鳴ってる。
そんな夢をね。
ここ1ヶ月ずっと見続けてるっていうんです。

『夢の中で僕はすっごく怒ってるんだ。』
『でも目が覚めると、何も覚えていないんだ。』

正直ね。
私にそんな事を言われてもどうしょうもないなって思いましたよ。
でもね。
どんな形でも頼って来てくれたのは嬉しかったし
話を聞くだけでも少しは気が晴れるんじゃないかなって思いまして。
私、聞いたんですよ。
少しでも覚えてる事は無いの?って。

そしてらS君

『なぜだか分からないけど、目が覚めると話してた事をまったく思い出せなくなるんだ・・・』
『でもひとつだけ忘れられない事があるんだよ。』
『あの男の片方の口の端だけを吊り上げた笑い方と、そこから見えるうす汚れて尖った犬歯が気持ち悪くてたまらないんだ。』

って言ったんです。


それからしばらく。
3日おきくらいにS君から夢についてのメールが来るようになったんですね。
相変わらずS君はあの夢を見続けてたみたいで
内容はいつもと同じ夢についての事。
“あんま気にすると良くないよ。”
ってそんなやりとりを続けてたんですね。

それが忘れもしない12月10日の深夜。
急に私の携帯が鳴り出したんです。
それはS君からで、時計の針は午前4:00過ぎを指してました。
“こんな時間になんだろ。”
寝ぼけながらに電話に出ると

『聞こえたんだよ。』


イキナリS君が喚きだしたんです。
S君の大声なんて初めて聞いた気がしてびっくりした私は

『なに?なにが聞こえたん?』

って言うと

『さっきあいつ言いやがったんだよ。』

『いよいよ明日だなって!』


『なぁ・・・僕はどうにかなっちうまうのか。』


S君がそう言った途端。
“ブチッ”
って電話が切れたんです。
すっかり目が覚めた私はすぐに電話したんですけど

【お客様のおかけになった電話は電波の届かない・・・】


次の日になっても
その次の日になっても。
S君は電話に出なくなったんです。




私、すっごくS君のこと心配にだったんですけどなんせ連絡がつかない。
でも携帯の番号は変わってないみたいだし
最悪の事態にはなっていないハズ。
私も自分の生活がありますから
そう自分に言い聞かせてたんですけどやっぱ気になって。
こないだ地元の別の友人に電話したんです。
“S君どこにいるか知ってるか?”って。
そしたらその友達に言われたんですよ。
『お前何言ってんの?』
って。
『Sなら家の仕事ついでずっと実家にいるだろ。』

 

 


拍子抜けでしたよ。
せっかくこのブログ読んで頂いてる皆様にも誠に申し訳ないんですが、
結論としては何も無かったんです。
ただS君って人が変な夢を見たってだけの話で・・・。
S君は何事もなく、あれからも普通に地元で生活していました。
というのもね。
実は昨日、彼に会いに行ってきたんです。

S君の実家の自転車屋、そこに彼はいましたよ。
もう10年ぶりくらいなのでだいぶ雰囲気は変わってたけど、間違いなくS君。
なんかアルバイトっぽい女の子と話してるところに
『やあ。』
って声を掛けると、
なんだか不思議そうな顔をしてこっちを見るんですね。
気分悪くなって
『なんだよ。僕だよ。○○だよ。』
って言うと
『へぇ。○○か。』
って知らないヤツみたいに言うんですよ。
ぶっきらぼうな言い方で、オンナの前で格好付けてるのかなって嫌な気分になりながらも
『夢の話はどうなったの?連絡もつかなくなって心配したんだよ。』
って言ったらね。
途端に口の右端を吊り上げて、人を馬鹿にしたような下品な笑い顔をしながら
『あぁ。それならもう終わったんだよ。』
って言ったんですよ。
もうすごく気分が悪くなって。
私すぐに帰りましたよ。



ほんとにね。
せっかくブログを読んで頂いてる皆さんには申し訳無いと思ってます。
このブログの趣旨からもずれてますし、載せるべき内容じゃないって分かってるんですけど。
でも誰かに聞いて欲しかったんですよ。
だって私、ほんとうに心配してたんですよ?
なのにあんな人を馬鹿にしたようなイヤラシイ笑い方して・・・。



・・・あれ?
そういえばS君・・・。
あんな八重歯あったっけ・・・??



中世のヨーロッパにおいて。
一人のエクソシストが悪魔払いをしている最中
悪魔憑きとされた少年が命を落としたそうです。
このエクソシストは裁判に掛けられ
少年の死因はエクソシストによる監禁・鞭の使用による外傷からくる衰弱死であるとされました。
そして検事により贖罪を求められたのです。
“この男のしている事は詐欺行為である。”
“悪魔なぞは存在しない。”
しかしこの言を受けたエクソシストは裁判に立ち会った全ての人に対し、こう言い放つのです。
“では貴方がたは、この少年の奇行の全ての理由を説明出来ますか?”
“どなたでも結構です。この世に悪魔が絶対に存在しないという事を証明出来ますか??”
そして検事も、傍聴席に居た誰もが何も反論出来ない事を確認したエクソシストは
高らかにこう宣言したのです。

“誰も悪魔の存在を否定出来ない。これこそが悪魔が存在する事の証明である。”


と―。






もう何年も前の話になるんですけど。
近畿地方のとある地域に有名な‘お化け屋敷’があったんですね。
三階建ての洋館で、結構大きなお家だったんですけどね。
ある時にそこの一家が強盗に皆んな殺されてしまって。
その後誰も買い手がつかずにいつのまにやら‘お化け屋敷’として有名になって・・・。
ほんとにね。
有名なトコでしたから。
知ってらっしゃる方は多いんじゃないかなって思います。
そこへね。
I君って人が友達連れて肝試しに行ったんです。


その日はね。
すっごく雨が降ってて。
“日を改めようか。”
って話もしてたんだけど、せっかくみんな集まったんだし。
結局みんなで車乗ってその‘お化け屋敷’に行く事になった。
国道から少し脇道に逸れた場所にあるその洋館の前に車を停めて、
外から‘お化け屋敷’を眺めてみた。
案外キレイな建物で、期待してたような‘お化け屋敷’って感じじゃない。

『中に入ってみようぜ。』

完全に不法侵入ですけどね。
まぁ、そこは若気のいたりというか・・・。
I君が玄関のドアに手を掛けてみると

“ガチャ”

ってドアが開いた。
家の中は月明かりでうっすら照らされてて
家具なんかがちゃんと並んでるのが見える。

“なんか普通だなぁ・・・”

思ったよりも中が明るくてキレイなのに内心ホッとして、中に入ろうとすると

‘ガツッ’

って急に腕を掴まれた。
振り向くと、一緒に来てたM君がすごい顔でこっち見てる。

『だめだ、入っちゃだめだ。』

汗のかき方が尋常じゃない。

“どうしたんだよ?”
って聞くと

『見える。家具が見える。』

って言う。

“こいつ何言ってんだ”

I君、半ば呆れ加減で無視して中に入ろうとすると


『だめだ!』

ってI君を引っ張りだして

‘バタン’

ってドアを閉めてしまったんですね。
で、I君ともう一人の友達を無理やり車に押し込んでそのまんま発進してしまったんです。

I君ワケ分かんなくて聞いたんですね。

“何なんだよ。”

って。
そしたらM君が言ったんです。

『絶対におかしい。あれは俺達を誘ってたんだ。』

そしてまた言うんです。

『なんであんなちゃんと家具が並んでるのが見えたんだよ。』

確かに誰も住んで無いにしては整いすぎてた気もしないではないけど。。。

もう一人の友達もね。
M君がそこまで怖がってるのが意味分かんなかったみたいで、言ったんですね。
気にしすぎだって。
家具だってキレイに見えたけど、月明かりでうっすら見えただけだろって。


そしたらね。
M君が大声で叫んだんです。
雨が降りしきる夜空を指差しながら。


『どこに月が出てるんだよ!!』






次の日の朝になって。
I君たちがもう一度その‘お化け屋敷’に行ってみると
建物はボロボロで、玄関のドアにはカギが掛かってたそうです。
それでね。
窓から中覗いてみても
家具なんか一切無かったんですって。。。







非常に私事で恐縮なんですが。
この度私ヒロシキャッツは車を乗り換えました。
以前からいいなって思ってたFRタイプのワゴン車を買ったんです。
少しスポーツタイプのちゃけった車なんですけど。
一度くらいはこんなのもいいかなって。

でね。
その記念っていうコトで。
今宵は‘クルマ’に関するお話をご紹介させて頂きます。





このお話は大阪府にお住まいのTさんって人の体験談。
今からちょうど4年ほど前の事なんですが
Tさん車が大分調子悪くなったって事で中古車を探してたんですね。
で、休みの度にいろんなお店を見に行ってた。
そしたらね。
とあるモータースですごくいい車があったんです。
FRタイプのワゴン車。
まだ発売されて一年足らずの車が驚くような値段で売られてる。
すぐにね。
店員さんに詳しい話を聞いたんです。
そしたら走行距離も全然走って無いし、事故歴も修復歴も無いって言うんですね。

『これは掘り出しものだ。』

Tさんすぐにその場で契約したんですね。

でもね。
その車が納車されてすぐに。
Tさん、‘異変’に気が付いたんです。




それは車を買ってから最初のお休みの日の事。
やっぱうれしかったんでしょうね。
Tさん深夜にドライブでもしようって思った。
で、車に乗り込もうとドアを開けると
車内から冷たい空気が流れてくる。
“もう七月なのに”
不思議に思いながらもシートに腰掛けると

“ビシャッ”

って冷水掛けられたみたいな寒気に襲われた。
“何だこれ”
Tさんなんか嫌な予感しながらも車を発進させたんですね。

で、しばらく走ってると

『  ・・・で     ・タ・・・    』

何かおかしな音が聞こえる。
ラジオの音かなって思ったけど、どうも違う。
意識を集中して聞いてみると

『  な・・で・・・ ワ・・・コ・・・・ノ・』

女性の声・・・?
Tさんラジオの音を消してみた。

『なんでワタシヲコロシタノ?』

『うわっ!』

バックミラーの中、
後部座席から真っ白い顔した女が運転席のTさんを睨み付けてる。

『ゆるさない・・・ ゆるさない・・・・!!』

Tさん急ブレーキして、とにかく車から逃げ出した。
で、そのまんま家まで走って帰ったそうなんです。




次の日になって。
怖くなったTさん、近くのお寺に車を持っていったんですね。
そしたらそこのお坊さん、車見るなり
『あぁ。』
って言ったそうです。
Tさんね。
お坊さんにことの次第を説明したんですね。

『この車に取り憑いてる女、オレが自分を殺したヤツだって勘違いしてる。』

って。
そしたらそのお坊さん、

『いや、この女性は間違ってませんよ。そもそも車に取り憑いてもいないですから。』

って言う。
Tさん自分はそんな事絶対にしてないし、間違いなく女性の霊が取り憑いてるって言ったら

『そうじゃ無い。』

って。
この車にはね。
男性の霊が取り憑いてるんだって。
お坊さん、そう言ったそうなんです。



お坊さん曰く、以前この車で若いカップルが練炭自殺をしたそうなんです。
どういう事情かは分からないけども
運転席に男性、後部座席に女性が寝かされた状態で自殺をした。
きっと無理心中みたいな感じだったんでしょうね。
あの女性は死んでから、男性を憎み続けてる。

でね。
男性は死んでから車に霊魂が縛られる事になってしまった。
でも恨みとか無いから、霊体としては人目に付く程濃くは無い。
女性の霊はその男性の霊に憑いていたんです。
なんかややこしい話なんですけど。
あの時吐きかけれた呪いの言葉は、
Tさんじゃなくて運転席の男性の霊に向けられたものだったんです。
そして車に取り憑いてたのは女性ではなく、男性の霊だった。
だからね。
運転席に座った時に冷水を浴びせられたような感じがしたんだって。





結局ね。
Tさんその車、すぐに手放したそうです。
車売ったトコに文句言ったそうなんですけど
『事故も無いし、修復歴も無い。嘘は付いていない。』
って言われたらしくて。
まぁそりゃそうですけど、それにしてもいい根性してますよね。

あれからはあの女性の霊がTさんの前に現れる事は無いそうです。
多分あの車に付いていったんでしょうね。
今もきっとどこかで・・・。


・・・私の車ですか?
私の車は大丈夫ですよ。
中古車でかなり安くで買えたんですけど
凄く調子が良いんですから。
事故歴も修復歴も無いって言ってましたし。
それにね。
特に夜なんて。
とっても良く効くんですよ?

 冷房が、ね。




“疑わしきは被告人の利益に”
日本の刑法における推定無罪の基本原則。
裁判所で行われる刑事裁判とは犯罪を犯したかどうかを判断するためのものですので
裁判の手続き中は犯罪を犯したかどうか未だ確定していない状態。
つまり被疑者には無罪の推定が働くんです。
検察側が犯罪事実を立証出来て初めて、犯罪を犯した事実が認められ刑事罰が下される。
つまりは充分な証拠を提出されない限り被疑者は無罪であり、
その人権は法によって保護されるんです。
それが例え疑わしいと思われる人物であったとしても。
この事が裁判の長期化や真の犯罪者を野放しにする結果に繋がってるって。
よくね、問題視されてますよね。

でも私はね。
やっぱりこれ頑なに守らなきゃいけないトコなんじゃないかなと思うんですよね。
旧約聖書に出て来る“ソドムとゴモラの街”の話じゃないですけど。
正しいはずの人がね、あらぬ不利益を被ってしまう冤罪の危険性を鑑みるとね。
やっぱりこの原則は厳粛すぎるくらいに守る必要があるんじゃないかって。
そう思うんです。








今宵のお話は岐阜県にお住まいのTさんって人の体験談。
配管関係のお仕事をされてる方なんですが
今から10年ほど前の事、Tさんが40代の後半の時にですね。
Tさんの住む町でとある噂が広まったそうなんです。

『Sトンネルの近くの山道に女性の幽霊が出る』

って噂が。
ここ何ヶ月かの間に目撃者が続出してるっていうんですね。
Tさんね、そういうの信じない人でしたから。
“そんな噂あるんだなぁ。”
ぐらいにしか思ってなかったんですね。

それがある日のこと。
仕事で遅くなったTさん、深夜にそのトンネルを通る事になったんです。
でね。
なんとな~くトンネル潜って
山道に出た瞬間。
急にヘッドライトの先に人影が飛び出して来た。

『危ない!!』

急ブレーキ踏んで、車は人影の前でなんとか停まった。

『危ないじゃないか!』

Tさんそう言って相手を睨み付けようとして
そのまんま固まってしまったそうです。
ヘッドライトの先。
白い服着た20歳くらいの女が立ってる。

“これ絶対にこの世のもんじゃない。”

ヘッドライトに映された女の顔。
お白い塗ったみたいに真っ白な色をしてる。
着てる服は泥と血にまみれてる。
そして何よりも。
その首がありえない角度で曲がってる・・・!!

ありえない角度からの視線とTさんの視線が絡み合った。
普通ならね。
その場で気絶してしまいそうなもんなんですけど。
Tさん、その目見てね。
なんだか可哀想だなって思ったそうなんですよ。

実はね。
Tさんには娘さんがいたんです。
通り魔に腹部刺されてお亡くなりになられたんですが。
結局犯人は捕まらなかったんですね。

Tさんね、その幽霊見てなんだか娘さんの事思い出したっていうんですよ。
で、その女をじっと見てた。
そしたら女の幽霊は振り返って山の中へ歩いて(浮いて?)行く。

“なんであんな事したのか分からないんだけど。”

Tさん懐中電灯持ってその後追い掛けたそうです。
女の幽霊を追い掛けて山の中進んで行って。
そして行き着いた先に。
首の折れた一体の白骨死体があったそうです。


次の日になって警察が現場検証に来て
その白骨死体の近くに埋まってた凶器が見つかった。
そこから近くに住む50代の男性が犯人であることが分かったんですね。

信じられない事はね。
その犯人の余罪を追及する内に、過去にも数件の殺人を犯した事を自白したんです。
その中にね。
Tさんの娘さんの名前があったそうなんです。
ちょうど時効まであと一ヶ月。
事件から14年と11ヶ月が経過した時の出来事だったそうです。





あの女性の幽霊は死んでもなお、犯人を告発しようとしたのか
ただ自分の死んだ場所を彷徨っていただけなのか。
それともあの出来事自体がTさんの幻覚だったのか。
今となっては分からないです。
でもね。
変わった事が二つだけ。
一つは
あの女性の命日になると
Sトンネルの出入口付近にはキレイな花が供えられるようになった事。
そしてもう一つは。
あの日以来、あの場所で女性の幽霊を目撃する人は一切いなくなったっていう事。





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